室内の空気中には、多様な化学物質が含まれています。これらの化学物質の中には空気中の含有量がわずかであっても人が刺激を感じるものや、さらに健康への影響があるとして指摘されているものがあります。現時点では化学物質と健康との影響に関する因果関係が必ずしも明らかではありませんが、住宅の密閉性の高まりなどにより「目の痛みや頭痛・吐き気・めまいがする」などの症状が報告されています。
弊社ではシックハウスの主な原因とされているホルムアルデヒド及び、VOC(揮発性有機化合物)の測定業務行っております。
シックハウス調査(揮発性有機化合物室内濃度測定)
測定方法
パッシブ法・アクティブ法 どちらの採取方法にも対応いたします。
アクティブ法測定(吸引方式)
パッシブ法測定(拡散方式)
厚生労働省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」や国土交通省の「住宅性能表示制度」では空気中の化学物質の捕集方法として「アクティブ法」と「パッシブ法」が定められています。
アクティブ法は、定量の吸引ポンプを用いて強制的に空気を吸引して空気中の化学物質を捕集剤(サンプラー)に捕集する方法です。定量ポンプを用いることで、高い精度、短時間での化学物質の捕集が可能です。アクティブ法はとても高い信頼性を持った化学物質の採取方法ですが原則2回採取しますので検体数が2倍となり高コストとなります。
パッシブ法は主流の測定方法であり、吸引ポンプなどは用いず部屋の中に捕集剤(サンプラー)を吊るして自然に化学物質を吸着させます。化学物質には濃度の高いところから低いところへ分子拡散する性質(拡散原理)があり、パッシブ法はこの拡散原理を用いています。
このためアクティブ法のように短時間ではなく、通常24時間(8時間以上)かけて捕集が行われます。
測定手順
指針値
揮発性有機化合物 | 室内濃度指針値 | 主な発生源 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 0.08ppm(100μg/㎥) | 合板・接着剤・防腐剤 |
トルエン | 0.07ppm(260μg/㎥) | 塗料・接着剤 |
キシレン | 0.05ppm(200μg/㎥) | 塗料・接着剤 |
スチレン | 0.05ppm(220μg/㎥) | 断熱材 |
エチルベンゼン | 0.88ppm(3800μg/㎥) | 塗料・接着剤 |
パラジクロロベンゼン | 0.04ppm (240μg/㎥) | トイレ芳香剤・衣類防虫剤 |
厚生労働省「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」による指針値より
分析装置写真はこちら・・・アルデヒド類分析装置・VOC分析裝置
ホルムアルデヒド:DNPH誘導体固相を溶媒抽出し高速液体クロマトグラフにて分析
HPLC Prominence(島津社製)
VOC :固相を溶媒抽出し、ガスクロマトグラフ質量分析計にて分析
GC/MS 5977B(アジレントテクノロジー社製)
分析のみご依頼
お客の方で採取頂ける場合(パッシブ測定のみ)、測定機器セットをご準備しております。
わかりやすい手順書も同送しますのでお気軽に問合せ下さい。
担当:板木
パッシブサンプラー採取機器セット